目の前に見えるは石造りの階段が下へと続いている。薄暗く、森と同じように不気味なそれだった。戸惑いつつも、意を決し降りていく。
しばらく階段をすすむと壁も見えないくらいの広い間へと出た。そこにポツリポツリと照らすろうそくは、幾千と一方へと道を作らんと並んでいる。幅1メートル弱の道の脇に並ぶ、一つの蝋燭を見やる、正方形の板の中央に一本、といった様子で置かれている。さらに目を凝らすとそれらはすべて水に浮いているのだ、一本道の脇が水だまりなのだ。底も見えないほど深いのか、そもそも水が黒いのか判断しかねない私は、なんとなく目をそらした。そしてまた前へすすみ続ける。
歩いていくと上へあがる階段があった。立ち止まり、見上げる。それほど長くないようだ。一度振り返りまわりを見渡す。この先は土足ではいけない気がした。靴を脱ぎ、石段を上っていった。
十何段か上ると正方形の部屋へ出る。部屋の四方に蝋燭が灯り、多少なりとも明るい。奇妙なことといえば蝋燭の先、こちらの部屋も前同然、まるで水辺に浮かぶかのように、床の向こうは水だまりだったことだろう。目を凝らせばずっとむこうにもまた、蝋燭の光がぼうっと輝いて見えた。
部屋を見渡す、入ってきたほうから遠い右一方の角には二個のたんすがこちら向きに置かれてあり死角を作り、そのわずかな隙間から蝋燭の光が漏れている。入り口の向かいには台に乗った大きめな液晶テレビが、めの前のパソコンにケーブルでつながれていた。パソコンが置いてある机は引き出しがいくつもあり、どれもあける気にはなれなかった。机の前のいすに座り、パソコンの電源を入れる、後ろにある液晶にも同じ画が移るあたり、これらは連動しているようだ。つけたらすでに一つのウィンドウがひらいてあり、中身は動画ファイルといった感じの物がリスト定に並んでいた。ためしに再生させてみようとダブルクリックしたら、「すべて再生しますか」と聞かれ、「はい」と答える。画面全体黒くなり、黒い着物を着た女が現れ歌い始めた。女の背後には横一列に並んだ女の人達が二人の間 後ろに一人、といったように階段状に女を囲んでいた。髪が腰まである彼女等はまったく同じ顔つきで画面を見据えていた。違和感はあったが、私はさほど気にも留めなかった。
動画を再生したまま周りを見渡す。入り口の右隣側に下る階段があることに気づく。階段を下りると、円形のちょっとした広間が三つほど繋がって、一つの通路のように奥へと続いていた。繋がった様が団子のようなので団子通路としよう。三つ目の円形の広場の中央に何か光る物があった。周りには札が二枚囲むように浮いてあり、向いたほうに光を放ちながら光る物の周りを一定の間をおきながら回っていた。札の光に当たらないように真ん中の物に手を伸ばす。掴んだと思ったらぴかっと光り、小さい斑点のように上へあがったかと思うと消えていった。周りの札は守る物もないのに回り続けていた。もう最後だ と、私は札へ手を伸ばした。だけど、それに触れた瞬間、私は駆け出していた。なぜか分からないまま、けれど止まる気もないまま、階段を駆け上げていた。そこで立ち止まり、一息着いてまたイスに腰掛けた。パソコンではさっきのとは違うがまだ動画が流れていた。ふと後ろの二角にある蝋燭を見やる。さきほどと変わらないまま光りを放っているだけだった。もう一度前を向くとパソコンの隣に小皿がならんであり、なんとなく美味しそうだと思った。私はそれを平らげた、味など覚えていないが、私はそれに満足した。動画を流したままだったが、かまうことなく私は部屋を後にした。この部屋へ初めて入ってきたほうの階段を下りて、靴を履き、一本道を戻っていく。景色は変わらず、蝋燭がともす一本道だけだ。やがて上へ続く階段の元へたどり着く、それをためらいも無く 上がる。いまだに紫色の森へと私は戻ってきた。そうして森をあても無く歩き始めた。
ここまでが一部
気がつくと今度は滝の前にいた。また同じように下へと下りる階段を見つけ、同じ一本道、同じ正方形の部屋、といったように同じ事を繰り返して、そこをでた。
出ればまた広がる滝の景色を私はまた歩き始める。
ここまでが二部
しばらくして奈落の底が見える崖上に来ていた、辺りを見回すとまた下へ下りる石階段を見つけた。唯一 他と違ったのは、階段の前に後姿の人物が立っていた。白い着物をまとい、髪が短いこと以外 特に目立つ特徴も無かった。私はそいつに近づいた。近くまで来るとわかったことだがそいつは女だった。彼女は振り返った。振り返った顔には目を覆う布が頭部に紐で巻かれていた。私はなぜかこいつが私の姉さんだと確信を持っていた。彼女はちいさく挨拶すると近づいてきた。挨拶を返すと、困ったことがあるらしい、共に行ってはくれないかと頼んできた。躊躇っていた私に彼女は赤い靴を差し出し、なおも懇願した。私は仕方なしといった感じで応じた。
いままでと同じように石の階段を下り、彼女を先頭に一本道を歩く。いままでと同じように上り階段が見えた、彼女は靴を脱ぐ、私も脱ぐ、けれど彼女は二足置いてったのだ。一つは彼女が今まで履いていたぼろぼろのスニーカー、そしてもう一つは青い靴、私は彼女からもらった靴を自分の履いていた靴と並べて階段を上がっていった。私も後に続く。
上った先のパソコンの部屋で彼女はすでにパソコンの前に座っていた、私はイスを求めて辺りを見回した。ちょうど机の向こう側(液晶とパソコンのある机の間)にあったイスに座り、彼女を見た。ちょうど向き合う形になった私たちだったが、彼女は机の引き出しを開けたようだった。一つあけるたびに聞こえる彼女の歓声を横に、私は切羽詰っていた、早く動画を再生しろと急かす。彼女はマウスに手を伸ばして幾らかのクリック音の後、後ろの液晶から今まで聴きなれた動画の音楽が聞こえてきた。振り返って驚く。今までの動画と同じ構図で真ん中の女にも代わりは無いが、背景にたたずんでいた女たちは、すべて白い着物を纏ったしゃれこうべの姿になっていた。驚いて彼女に目を戻すと、楽しそうに画面を見ている。私は席を立ち、団子通路へ続く階段の前でこっちに行くと一言断って下りていった。
いつものことを繰り返して戻ってくると、彼女はまた机の引き出しを開け 歓声を上げていた。彼女が取り出したらしきものの中に緑色のケータイがあった。それをみていると 突然パカッと開き、独りでに電源が着いた。待ち受け画面にカウントダウンのような物が現れ秒数がすすみ始めた。私は焦った。早く食べないと出られないという考えが頭をよぎる。机周りを見渡し、いつもの物を見つける。彼女にご飯を勧めつつ、急かしつつ、自分も急いで食べる。その間にも流れていた動画を見ぬようにしていたが、耳にこびりつかんばかりの音楽が聞こえるのは我慢するしかなかった。食べ終わり、彼女をさらに急かす、早く出ねば取り込まれてしまう。彼女はもときた方の階段へと駆けていく。私も後に続く。もときた階段はこんなに長かったのだろうか、動画のあの音楽が耳をつんざく、それでも走り続ける。彼女の背中が見えてきたとおもったら、動きがおかしい。スロー再生にでもいるかのように駆けていく彼女を追い抜き更に下る。狭い空間、横は池だ、落ちたくない、私は靴を求めかけ下りる。最後の段が見えてくる、あれを超えれば・・・。私は更に加速する。急く思いで間誤付く手を懸命に動かし靴を履く。彼女は後ろにいるのだろうか、振り向きたくない。ふと、白い着物が横切った、青い靴を拾い、そのまま駆け出してしまう・・・。私は彼女においてかれんと急き、赤い靴に手を伸ばす。そこでまた何かが横切る、また白い着物だった、今度はぼろぼろのスニーカーを拾い、そのまま駆けていってしまった。私は赤い靴を握りしめその背中を追う。追いかけなければ、追いつかなければ・・・。姉さんだ・・・。姉さんなんだ。姉さん・・・姉さん・・・。幾度念じても前の背は振り返らない。
駆けぬいた先、出たのは元いた崖上だった。私たちは崖の先に立ち尽くしていた。
そこで私は目が覚めた。
怖い表現なんて微塵もできない私ですが、楽しんでいただけたなら幸い。
地獄夢と語らせていただきましたが、地獄が無くてもうしわけない。夢の中の私はこれが地獄なんだという確信があったのです。
夢は主を選ぶといいます、くれぐれも続きなんて見ないように。四度目は無いと思います。
ちなみにうpは私がさせていただきましたが、妹の夢にござ~い。夢に出てきた姉は私ではないそうです。シノは私のこと姉さんなんて呼びません、図が高い、目上なんて気にしません子です。
では、また。
妹なりに思うところがあるらしいので、今度また推理バージョンを書かせていただきます。
そんなに容量無いかもですが。。。
ここまでが一部
気がつくと今度は滝の前にいた。また同じように下へと下りる階段を見つけ、同じ一本道、同じ正方形の部屋、といったように同じ事を繰り返して、そこをでた。
出ればまた広がる滝の景色を私はまた歩き始める。
ここまでが二部
しばらくして奈落の底が見える崖上に来ていた、辺りを見回すとまた下へ下りる石階段を見つけた。唯一 他と違ったのは、階段の前に後姿の人物が立っていた。白い着物をまとい、髪が短いこと以外 特に目立つ特徴も無かった。私はそいつに近づいた。近くまで来るとわかったことだがそいつは女だった。彼女は振り返った。振り返った顔には目を覆う布が頭部に紐で巻かれていた。私はなぜかこいつが私の姉さんだと確信を持っていた。彼女はちいさく挨拶すると近づいてきた。挨拶を返すと、困ったことがあるらしい、共に行ってはくれないかと頼んできた。躊躇っていた私に彼女は赤い靴を差し出し、なおも懇願した。私は仕方なしといった感じで応じた。
いままでと同じように石の階段を下り、彼女を先頭に一本道を歩く。いままでと同じように上り階段が見えた、彼女は靴を脱ぐ、私も脱ぐ、けれど彼女は二足置いてったのだ。一つは彼女が今まで履いていたぼろぼろのスニーカー、そしてもう一つは青い靴、私は彼女からもらった靴を自分の履いていた靴と並べて階段を上がっていった。私も後に続く。
上った先のパソコンの部屋で彼女はすでにパソコンの前に座っていた、私はイスを求めて辺りを見回した。ちょうど机の向こう側(液晶とパソコンのある机の間)にあったイスに座り、彼女を見た。ちょうど向き合う形になった私たちだったが、彼女は机の引き出しを開けたようだった。一つあけるたびに聞こえる彼女の歓声を横に、私は切羽詰っていた、早く動画を再生しろと急かす。彼女はマウスに手を伸ばして幾らかのクリック音の後、後ろの液晶から今まで聴きなれた動画の音楽が聞こえてきた。振り返って驚く。今までの動画と同じ構図で真ん中の女にも代わりは無いが、背景にたたずんでいた女たちは、すべて白い着物を纏ったしゃれこうべの姿になっていた。驚いて彼女に目を戻すと、楽しそうに画面を見ている。私は席を立ち、団子通路へ続く階段の前でこっちに行くと一言断って下りていった。
いつものことを繰り返して戻ってくると、彼女はまた机の引き出しを開け 歓声を上げていた。彼女が取り出したらしきものの中に緑色のケータイがあった。それをみていると 突然パカッと開き、独りでに電源が着いた。待ち受け画面にカウントダウンのような物が現れ秒数がすすみ始めた。私は焦った。早く食べないと出られないという考えが頭をよぎる。机周りを見渡し、いつもの物を見つける。彼女にご飯を勧めつつ、急かしつつ、自分も急いで食べる。その間にも流れていた動画を見ぬようにしていたが、耳にこびりつかんばかりの音楽が聞こえるのは我慢するしかなかった。食べ終わり、彼女をさらに急かす、早く出ねば取り込まれてしまう。彼女はもときた方の階段へと駆けていく。私も後に続く。もときた階段はこんなに長かったのだろうか、動画のあの音楽が耳をつんざく、それでも走り続ける。彼女の背中が見えてきたとおもったら、動きがおかしい。スロー再生にでもいるかのように駆けていく彼女を追い抜き更に下る。狭い空間、横は池だ、落ちたくない、私は靴を求めかけ下りる。最後の段が見えてくる、あれを超えれば・・・。私は更に加速する。急く思いで間誤付く手を懸命に動かし靴を履く。彼女は後ろにいるのだろうか、振り向きたくない。ふと、白い着物が横切った、青い靴を拾い、そのまま駆け出してしまう・・・。私は彼女においてかれんと急き、赤い靴に手を伸ばす。そこでまた何かが横切る、また白い着物だった、今度はぼろぼろのスニーカーを拾い、そのまま駆けていってしまった。私は赤い靴を握りしめその背中を追う。追いかけなければ、追いつかなければ・・・。姉さんだ・・・。姉さんなんだ。姉さん・・・姉さん・・・。幾度念じても前の背は振り返らない。
駆けぬいた先、出たのは元いた崖上だった。私たちは崖の先に立ち尽くしていた。
そこで私は目が覚めた。
怖い表現なんて微塵もできない私ですが、楽しんでいただけたなら幸い。
地獄夢と語らせていただきましたが、地獄が無くてもうしわけない。夢の中の私はこれが地獄なんだという確信があったのです。
夢は主を選ぶといいます、くれぐれも続きなんて見ないように。四度目は無いと思います。
ちなみにうpは私がさせていただきましたが、妹の夢にござ~い。夢に出てきた姉は私ではないそうです。シノは私のこと姉さんなんて呼びません、図が高い、目上なんて気にしません子です。
では、また。
妹なりに思うところがあるらしいので、今度また推理バージョンを書かせていただきます。
そんなに容量無いかもですが。。。
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